五人の王子に仕えしは



 その女の子は歯ぎしりをしつつ拳を握りしめた。


 「ファンクラブに報告します!」


 一番恐れていた事が起きようとしている……!?
 ほ、報告って!


「そうか、ありがとう」


 そしてなんでお前は感謝してるんだよ!!

 ハラハラと焦りながらその様子を見ていると、ペコリと神崎クンにお辞儀をした女の子が丁度こちらに向かって来るところだった。



 あ、やばい。



 私は咄嗟に近くにあった良く分からないオブジェに身を潜め、なんとかその場をやり過ごした。


 ふぅ。ひと安心。



「……楽しくなってきたな」


 神崎クンがぽつりと呟く。




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