五人の王子に仕えしは
取り敢えず丁度裏玄関にいるので、雑に陳列させられたスリッパを履き教室に向かった。
ローファーはどうしよう。
実は玄関に置いてきたままなのである。
「……まあ、それは帰りで良いか」
ペタペタとスリッパ特有の音を鳴らしつつ歩いていると、丁度曲がり角で花折司咲……君? に会った。
この人とはまだ話してないんだよなあ。
見上げれば、ツンツンと跳ねた真っ黒な髪。前髪はある。アシメヘアで右側のもみ上げ部分?だけクロスしたピンでまとめていて、それがスッキリとしたつり目に良く似合っている。
スタイリッシュだ、スタイリッシュ!
美容師さんが似合う。