五人の王子に仕えしは



 基本的に花折君はいつも表情を変えない。


 だからあんなデリカシーの欠片もない発言もそのままサラリと言ってのけるのだ。



 戦闘体制の私に花折君は近付いて来た。

 おうおうなんだ兄ちゃんやんのかコラ。



「……え、だって……、無くないですか?」


 もみ。


「ぎゃあああああああああああああああああ!!」

「……うるさい、です……、痛っ、!」


 バチーンとビンタを食らわせてやった。


「ばか! ばかばか花折君のばかああ!!」


 私はそのまま走って教室に逃げた。


 何をされたかもう効果音でわかるだろう!!


 奪われたよ私の純情……!




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