五人の王子に仕えしは


 そして神崎クンはあの時の様に私の手を引き教室内に招いた。
 因みに運悪く、私と神崎クンの席は通路を挟んだ隣である。




 ……まあ、本当の隣じゃないだけマシなのだが。


 教室に入れば女子生徒たちのギラついた視線。
 なんか、レーザーが出てる。赤いヤツ。私切れる。



 神崎クンは私の手を引き自分の椅子に座ると、そのまま私を神崎クンの股の間に座らせた。


「か、神崎クンあの、やりすぎでは……」

 女子生徒の視線がキリリと強くなった。
 背中に汗が伝う。

 そんな中神崎クンは、後ろから伸ばした手を私の胸下で組み、耳に口を寄せた。

 吐息が耳に触れ、ピクリとももが動く。

「これからは神崎クンじゃない、奏だ……良いな? …鈴奈」

「は、うっ……! は、はいっ!」


 囁きに反して大きな声で返事をしてしまった。
 だって、だってこれは……!


 まだ、耳がむずむずしている。
 身体の芯がゾクリと震えるような、そんな感じだ。




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