五人の王子に仕えしは
「春川さん、私用事が……っ!」
女子の絶叫と羨望の瞳、男子の冷やかすような言葉と好奇の瞳。
それらをまとめて捕まえた春川さんは、そのまま私が向かっていた方向とは逆に歩き始めた。
「ちょっと、どこいくんですか?」
「秘密」
ていうか私絶対重いよね……!? お姫様抱っこって肩が崩れそうになるくらい辛くない?
この前やってみたら死ぬほど辛かったんだけど。
あーくれちゃんサラバ……。
「春川さん」
「…………」
「春川さん、私」
「そろそろ黙ってないとキスするからね」
「…………!」
でも私お姫様抱っこで今スカートの中見えちゃいそうなんだけど……!
どうにかしてよ!