五人の王子に仕えしは


「和真ってピュアだよね」


 と春川さんは笑う。ほんとにピュアだ。
 こんなピュアな男の子まだいたのね。


「べ、べ、べつにそれは恥ずかしがってる訳じゃねえからな!」

「はいはい」

「あー、ねえだったらさ、私も下の名前呼びやめようか?」



 私はそんな事知らずに勝手に下の名前で呼んでいた訳だし。
 実は迷惑だったかもしれない。


「ダメだっ!!」

「え?」


 和真君はバッと立ち上がった。どうしたいきなり。

 私が不思議そうに和真君を見つめていると、我に返ったように座りこんでしまった。


 この子大丈夫?





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