輪廻転生
人間界では
事件発生から2ヶ月半が経った、4月20日、祐太郎の遺族は強盗殺人及び住居侵入罪で起訴された大林被告の公判等について横浜地検から説明を受けた。横浜地検公判部の検事宇佐美三郎、宇佐美「被告人大林の初公判は9月15日に決まりました、遺族の皆さんには優先的に傍聴出来るように配慮致します。裁判所で傍聴券を取る必要はありませんので」早雪「そうですか」、8月12日、祐太郎の父親、末彦が自宅で倒れた、くも膜下出血だった、翌日脳死状態に陥り同日亡くなった。早雪「理子、祐太郎に続いて旦那まで」、早雪は翌日まで泣いていた。1カ月後、9月15日、阿部祐太郎殺害事件の初公判当日、横浜地裁101号法廷、午前9時過ぎ、早雪や祐太郎の友人、知人は傍聴席に座った、傍聴希望者は1900人が並んだ、マスコミも取材に来ていた。午前10時に開廷した。大林被告は無表情だった、宇佐美検事「起訴状の朗読から始めます。被告人は殺人及び窃盗罪で懲役14年で仮釈放中の昭和53年2月1日、強盗目的で横浜市西区◯の会社役員阿部末彦宅に玄関から侵入し金品を物色中に帰宅した同人の長男、阿部祐太郎に発見され、犯行を咎められ警察に通報されたかけたことから持参したダガーナイフ刃渡り12cmで同人に確定的な殺意を持って襲いかかり、揉み合いの末同人の腹部を刺し重傷を負わせ同人が所持していた財布現金8万円入りを奪い、被告人はさらに同人の通帳を奪い同人を脅して暗証番号を聞き出し、口封じの為確定的殺意を持って同人の胸部を刺して翌日に同人を死亡させたものである、罪名及び罰条、強盗殺人、刑法第240条後段及び住居侵入罪刑法第130条前段」、河島継雄裁判長「被告人は検察官が読み上げた犯罪内容に間違いは有りますか?」、大林被告「有りません。その通りです」、大林良太は全面的に罪を認めた。公判の争点は大林被告の量刑に絞られた、殺人及び窃盗という、強盗殺人に準ずる前科を有しその事件の仮釈放中の犯行ということを考えれば死刑を適用するか否か(無期懲役)にかかっている、次回公判は来月24日