輪廻転生
もちろん年也も遊佐子もこんな気持ちになったのは初めてだった。年也「若山年也です」遊佐子「日比野遊佐子です」遊佐子「私は東京町田市に住んでます」遊佐子「若山さんは?」年也「僕は千葉県千葉市だけど」遊佐子「先日、若山君のライブ見に行ったんだけど凄かった、私、感動した」年也「ありがとぅ、デビューまでは壮絶だったよ」2人は付き合い始めた、遊佐子と初デートの日、年也が町田駅で待っていると、遊佐子「あのクルマ?」年也「日比野さん」遊佐子「若山君だ」遊佐子「このクルマ、RX7でしょう?」年也「知ってるの?」遊佐子「弟の持ってる某漫画に出てたから」年也「知り合いから20万で買ったんだけど、改造してあった」遊佐子「若山君って飛ばすほう、スピード?」年也「普通に走るぐらいかな、あんまり関心ないし、知り合いは改造して350馬力とか言ってたけど、どうでもいいし」遊佐子「マニュアルなんだ」年也「その手のクルマはほとんどマニュアルだよ」年也の自宅に到着、遊佐子「若山君、意外に冷静で飛ばさないね、ライブの時の勢いとは」年也「事故とかでスキャンダル作ったり事故で痛い目に会いたくないからさ、人に迷惑かけたくないなと」年也は初めての恋愛に戸惑っていた、そりゃあ女友達がいないどころか今までに女の子とまともに会話すら数えるぐらいしかなかった、遊佐子「ねぇ若山君、下の名前で読んでいい?」年也「あ!いいよ」遊佐子「年也君、私のこと、下の名前で読んでいいから」年也「遊佐子さん」遊佐子「年也君、何か?緊張、戸惑ってるね」年也「いや、恋愛初めてだし、女の子と会話すらほとんどしたことなかったから、戸惑っちゃって」遊佐子「大丈夫よ年也君」年也「遊佐子さんは恋愛経験あるの?」遊佐子「私も恋愛は初めてだけど男友達は何人かいるよ、でもみんな普通の人ね」年也「僕、カッコいいわけじゃないしスポーツは持久走で学年で上位5位に入ってたけど勉強は5教科で280点ぐらいだったかな、でも自分からアタックするのが苦手だった?」遊佐子「私は5教科で470点ぐらいあった」年也「天才やんか」遊佐子「でも年也君は歌手デビューしたんだよ、もっと上だよ、もっと自分に自信を持ちなよ」年也「遊佐子さん、ありがと」年也「デビューまで15年以上かかったよ」遊佐子「すごいよ年也君、私、努力する人好きだから」年也「歌手デビューしてはっきりしたことがあるんだ」遊佐子「まさか年也君、才能とかゼロでここまで来たの?」年也「うん、才能なんかに頼らなくても本気になれば時間かかっても歌手になれる」遊佐子「余計にすごいよ」遊佐子が年也に口を近づけた、年也「えいいよ」年也と遊佐子はキスをした、年也「遊佐子、初キス」遊佐子「私も初キスだから、年也君照れてるね」年也「いや、まぁ」遊佐子は年也の両親に挨拶して、3時間ほど滞在して年也が遊佐子の自宅まで送っていった、年也「遊佐子じゃあ」遊佐子「年也君、またね」、数時間後、年也が帰宅した。妹が既に帰宅していた、美佐恵「年也、彼女かわいいしいい子じゃない」倫也「年也の彼女かわいかったな、美佐恵の学生時代よりもいいかも」美佐恵「あら、悪かったわね」倫也「いゃ、ごめん」麻衣「お兄ちゃんに彼女出来たの?」年也「東京町田の人、大学の同級生、日比野遊佐子さん」美佐恵「東京町田の子、アクアライン通らないと遠い」麻衣「お兄ちゃん大丈夫なの、今まで女の子と話したことすら数えるぐらいしかないよね」年也「うん、付き合ったことゼロ」麻衣「お兄ちゃん、歌はプロなんだけど恋愛は素人だもん」年也「頑張ってみる」年也「麻衣、」、その頃、番組では若山兄妹の記憶と事実について検証を行っていた、翌日年也は進藤氏に相談すると進藤「ソウルメイトかもしれないが相手の女性の方に前世療法を行わないと分からない」、遊佐子が前世療法を承諾したため2週間後に前世療法を行うことになった。遊佐子は半信半疑だったが確かめずにはいられなかった。 前世療法前夜、父親若山倫也「おどろきだな、年也の前世が殺人事件の被害者で、しかも妹麻衣の前世の兄だったとは、現実にこんな偶然があるのか、第一生まれ変わり自体が存在するなんて」母親若山美佐恵「私は偶然ではなく必然だと思う」倫也「え」美佐恵「何かの見えない未知の力が影響してるような、そんな感じがするの?何かはわからないけど」倫也「まさか?霊界が存在するとでも、冗談だろそんな」麻衣「霊界が、いや死後の世界が存在しない根拠もないし、ないとは断言できないわ」倫也「麻衣」年也「オレもそう思う。偶然にしては事実や状況が一致し過ぎている、不気味なくらいな」年也「麻衣がオレの妹として生まれてきたのも必然かも、一番気になるのは前世での記憶はしっかりあって、しかし不思議なことに死後の世界の記憶は途中から全くないんだ、まるで故意に記憶が消されたようにな」、その時、年也の携帯電話に連絡がはいった、番組を担当していたスタッフからだった、スタッフによると、検証が終わり、その結果、若山兄妹が語った記憶と阿部祐太朗と妹理子に起きた事柄(理子の病名や理子の死亡日や死亡した時の状況、また祐太朗の致命傷の傷や死亡日や死亡時の状況、事件が起きた場所、兄祐太朗が妹理子を毎日お見舞いしていた事実)が完全に一致したという、祐太朗が理子を毎日お見舞いにしていたことや理子の死亡日や祐太朗が死ぬ直前に芸能事務所で最終打ち合わせをしていたこと、また2月15日に歌手としてデビューする予定であったことなどは全く外部に漏らされていないため調べようがなく、輪廻転生の存在を確実なものとする証明となった。年也「記憶と事実が全て一致したよ」麻衣「良かった、前世でもお兄ちゃんの妹だったんだ」翌日、遊佐子が前世療法を受けた、結果、遊佐子が年也のソウルメイトであることが確認された。その頃、兵庫県神戸市のとある大学では、1人の青年が大学野球に参加していた。青年河上謙、河上も時々悪夢に悩まされていた。河上は大学の教授に相談すると教授は進藤由里枝氏を紹介された。3日後、前世療法を受けた結果、 悪夢の原因は前世で強盗に殺害されていたことだった。河上の前世は山口県光市に住む江崎拓人という当時高校生だった。江崎拓人さん含む一家4人は1974年10月5日、押し入った中森(当時38歳)によって
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