ナルシストの華麗なる恋愛講座
私はコンビニの中に入る。
活気のある声で出迎えてくれた店員の声を聞きながら、雑誌のあるコーナーを目指す。
「あった」
私は【beauty】という雑誌を手に取り、少しパラパラと中身を見て、確認する。
「…あれ? この人…」
とある女優さんの特集が組まれていた。
私はあまり流行に敏感な方ではないから知らなかったが、かなり有名な人らしい。
――優しい、ミルクティー色の髪を靡かせている。
「…成瀬みたい」
顔も少し似ている気がしたけれど。
「気のせいか」
空腹時用のお菓子と一緒に、雑誌を会計した。
そして店の外に出ると
「葉月!買い物は終わったかい?」
「うん。……ん?成瀬、アンタ、何持ってるの」
片手を背中で隠した成瀬がいた。
私が訊ねると、成瀬はニッコリ笑う。