ナルシストの華麗なる恋愛講座
突然すぎて驚けなかった。
思考もストップした。
「薔薇背負うモノじゃないなら、僕はキミに贈るのだよ」
そう言って、そっと体を離す成瀬に
私は
「この…セクハラナルシスト!」
「いたぁっ!」
あの弁慶も泣く所を蹴った。
「い、痛いのだよ葉月!」
あぁ、そりゃさぞかし痛いでしょうよ。
ローファーだし。
涙目になっている成瀬を無視して、私は歩き出す。
「えっ、ちょっ、置いていくのかい!?」
「うるさい着いてこないで変態ストーカーセクハラナルシスト」
「毅然とした態度の葉月も美しいね!」
「キモいキモい」
僕も美しいのだけれど!と言って、スチャッと手鏡を用意した成瀬を見て、ウザいと心から思った。