ナルシストの華麗なる恋愛講座
一年生の時は、それはそれは戸惑った。
教室にいればガン見され、廊下に出れば挨拶され、帰ろうとすればストーカーが、家につくとポストには貢ぎ物とラブレター。
一部を除いて、全て女子からのものだ。
それから一年経ち、
生憎と、私はまだレズビアンに興味は無い。
授業も終わって
そろそろ帰ろうかと鞄を肩に担ぐ。
「王子、さようなら」
「あぁ、さようなら」
「また明日、お会いしましょう!」
「うん」
クラスメートに話しかけられながら、扉を目指す。
腕についている時計をチラリと見る。
ヤバい、ギリギリの時間だ。
早くしないと奴が…
「やぁ葉月!昨日ぶりだね久しいよ!」
「久しくないっ!」
「いたっ!愛が痛いのだよ葉月!」
「そんなバイオレンスな愛は持ち合わせてない!」
来てしまった。