冬に降る涙の雨。


「毛布、かけてくれたのマコだろ?」

眠たそうにそう言うカナちゃんは、嬉しそう。

もしかして、カナちゃんが言ってる“良い事”って……?




「すんげぇ、嬉しかった。」




きゅん。

「…ありがとな、マコ。」


きゅん。きゅん。



何よ、こんなの、卑怯だよ……

そんなカッコいい顔で、甘い声で、上目遣いで……


そんなの、ズルいよ……

せっかく、諦めようとしてたのに。
あと、3日しか一緒にいられないから、諦めようと思ってたのに。


無理じゃん。
諦めるなんて、出来っこないよ。


………イジワル。


「…ご飯、食べよ?」

私がそう言うと、カナちゃんは“適わねえ”って笑った。


約束だけは、守り続けるから。
だから、せめてあと3日は、カナちゃんを好きでいさせてね。




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