冬に降る涙の雨。


「んまい」

ニコッと笑うカナちゃん。

“んまい”
その言葉は、笑顔は、すごく嬉しい。

だけど、笑ってない。

あと、3日しか一緒にいられないから?
私と離れるの、少しは寂しいと思ってくれてるの?


なんて。

自惚れてみたかっただけ。
そんな事、有り得ないってわかってる。


だから、せめて想像の世界だけ、ね。


「……マコ。」

「ん?」


「約束、破ることになるかも知んないけど……これから、マコに少しずつ話をしていこうと思ってる。」


話……?


「ま、1日1つってとこかな。」

悲しそうに眉を八の字にするカナちゃん。

「なんの、話…?」

「まぁ、マコが聞きたいこと、かな。」


私が、聞きたいこと……?

そんなの、たくさんある。
3日分じゃ、足りないよ。

カナちゃんは、私が残りの日数を知ってること、知らないんだよね。


「今日は、そうだなぁ。午前中出掛けないといけないから午後にでも話そう。」




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