冬に降る涙の雨。


よく見ると確かに綺麗なグリーンの瞳をしていた。


「カナちゃん……?」

私がもう1度尋ねると、
「うん。そだよ」
柔らかく笑うカナちゃん。


「さ、行こうか」
「……うん。」


これからどこへ行くのか、
どうなるのか、そんな事分からない。

だけど、1つだけ分かった事がある。



カナちゃんは“悪い人”じゃない。
カナちゃんは………

私を傷つけたりしない。


だって、あんなに柔らかく笑うんだもん。
笑顔があんなにも、暖かいんだもん。


それから私は部屋からキャリーバッグを引きずって来て、部屋中の電気を消した。


「本当に…信じてくれてんだね…」
少し照れたように言うカナちゃん。

「“信じる”って言ったら、信じるよ、私は。」

「ははっなんか懐かしいな、ソレ」

そう言って無邪気に笑うカナちゃん。
“懐かしい”ってなんだろう……?


ま、いっか。




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