冬に降る涙の雨。


「どこまで行くの……?」
気になって聞いてみたら、

「ん…?マコの学校より遠くだよ」
なんて答えた。

「私の学校、知ってるの?」
って聞いたら、

「制服でね。俺の母校の制服だし」
って笑った。


ってことは、カナちゃんも頭良いんだ。

自分で言うのも恥ずかしいけど、私の通う高校は進学校。

「カナちゃんって頭良いんだ」

「うん。……なんちゃって。どうなんだろ。分かんない」


運転しながらも、ちゃんと質問に答えてくれるカナちゃん。


めちゃめちゃ怪しいけど、愛情深いのかもね。


ふと、視界にタバコが写る。
「カナちゃん、タバコ吸うの……?」

「うん、かなり吸うよ。ヘビースモーカーってワケじゃないけどね」

そう言いながら器用にハンドルをきるカナちゃん。


運転、上手かも。

そんな風に思った。




< 14 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop