冬に降る涙の雨。
「どこまで行くの……?」
気になって聞いてみたら、
「ん…?マコの学校より遠くだよ」
なんて答えた。
「私の学校、知ってるの?」
って聞いたら、
「制服でね。俺の母校の制服だし」
って笑った。
ってことは、カナちゃんも頭良いんだ。
自分で言うのも恥ずかしいけど、私の通う高校は進学校。
「カナちゃんって頭良いんだ」
「うん。……なんちゃって。どうなんだろ。分かんない」
運転しながらも、ちゃんと質問に答えてくれるカナちゃん。
めちゃめちゃ怪しいけど、愛情深いのかもね。
ふと、視界にタバコが写る。
「カナちゃん、タバコ吸うの……?」
「うん、かなり吸うよ。ヘビースモーカーってワケじゃないけどね」
そう言いながら器用にハンドルをきるカナちゃん。
運転、上手かも。
そんな風に思った。