冬に降る涙の雨。
「着いたよ」
そう言ってカナちゃんが助手席の扉をあけてくれた。
「ここって………」
超、山奥。
まさかカナちゃんがそんなところに住んでるとは……
「お、マコも知ってる?ここらって人があんまり来ないからさ。住みやすいんだ」
そう言いながらカナちゃんが後部座席からキャリーバッグを取り出す。
「さ、おいで」
カナちゃんは片手は私のキャリーバッグを引きながら、片手は私の腕を掴んでいた。
目の前にあるのはログハウスのような立派な家。
一階建てみたいだけど、かなり大きい。
カナちゃん、一人暮らし?
それとも、家族がたくさんいたり?
気になって気になって、玄関で鍵を差し込もうとしているカナちゃんに尋ねた。
「カナちゃん、一人暮らし?」