冬に降る涙の雨。


「ん?もちろん一人暮らしだよ」

ニコニコなカナちゃん。
何考えてるのか分からない。

けど、いいや。
私も自分を隠してるんだ。

「さ、いらっしゃい」
ガチャンと玄関の扉をあけ、私を中へ促すカナちゃん。


「お邪魔、します……」

ゆっくりと中に入る。
中はとても木の温もりを感じる、暖かい感じだった。


「マコの部屋はここね」
「うん」

促されるままに部屋に入る。

「わぁ……」

中はとってもシンプルだけど、可愛かった。


ブルーで統一された部屋。
ベッド、ソファー、机、いす……必要なものはすべて揃っているようだった。


さらにはロフトまである始末。

なんだか私には勿体無い。
私のために用意してくれたって言うより、前に誰かが住んでいたみたい。


って言うか、男の人の部屋っぽい。

……気のせい?






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