冬に降る涙の雨。
*カナちゃんと優しさ*
「マコ、料理とかって出来る?」
突然、部屋に入ってくるカナちゃん。
料理かぁ……
だいたい、一人暮らしの時点で出来なきゃダメだよね。
「出来るよ、それなりにね」
って私が答えたら、
「助かった。これから料理……ってか、ご飯作って下さい。」
「う、うん。わかった。」
真剣な顔で頼まれると、嫌でも断れないんですけど……
……ってか、“これから”って言ったよね……?
“これから”って、いつまで?
何か、期間が決まってるの?
それとも死ぬまで?
ワケが分からない。
良く考えたらカナちゃん、私に何の説明もしてくれてないじゃん。
怪しすぎるでしょ。
こんな怪しい人にホイホイついて来た自分に拍手。
普通だったら警察呼ぶよね。
……まぁ、普通だったらだけど。
カナちゃんは、何が目的で私に“家においで”なんて言ったんだろう。