冬に降る涙の雨。
背中に何かが当たり、それからそれは身体全体へと変わる。
ベッドにおろされたんだ。
カナちゃんが私に布団をかけてくれる。
ほら、カナちゃん、優しい。
“おやすみ”
小さな声でカナちゃんはそう呟いた。
私の頭を優しく撫でながら。
すると、カナちゃんが立ち上がったような感じがした。
行っちゃう……!!
そう思った私は咄嗟にカナちゃんの服の袖を掴む。
「…しょうがないなぁ…」
そう言ってカナちゃんは私の手を握り、ベッドに腰掛けた。
「…やっぱ、寂しいよな…」
悲しそうに呟くカナちゃん。
カナちゃん、私、聞こえてるよ。
本当は、起きてるよ。
だけど、少しだけこうさせて。
カナちゃんがどんな思いかなんて分からない。
だけど、離れたくない。
……なんでだろう。
今日、出会ったばっかりなのにね。