冬に降る涙の雨。



「んー…恥ずかしながら、教師をやっております」

頬杖をついたまま、私を見つめ話すカナちゃん。


きょ、教師………?

意外にも程がある……!!!

「あ、信じてないでしょ」
怒ったようにプンプンとするカナちゃん。
「いや、信じてるけど……意外すぎて」

正直に話すと、カナちゃんは拍子抜けしたようだった。

「信じて、くれるんだ?」

どこか疑ったように首を傾げるカナちゃん。その仕草、なんかドキドキする。


「“信じるって言ったら信じるよ、私は”って、言ったよね。だから、信じてる」


カナちゃんに視線を合わすことが出来なかった私は必死にいいわけをした。


「そっか。なんかその言葉、いいな」


突然、どこか懐かしそうに遠くを見るカナちゃん。

「これは受け売り。」
お父さんからの、受け売り。

「そか…。なぁ、俺ちゃんと先生に見える?」

急に話を変えるカナちゃん。
ちゃんと先生に見えるかって……

「うーん。言われて見れば見えないこともないかな?って感じ。」


なんとも煮え切らない返事だ。
自分にガッカリ。




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