冬に降る涙の雨。
しばらくの沈黙。
私はカナちゃんの腰掛けているソファーで、カナちゃんの隣に座っている。
こんなにも近くにいるのに、近くに感じない。
それは多分、私のカナちゃんの心の距離なんだと思う。
だから、せめて身体の距離は……
私は少しだけカナちゃんに近づいた。
気づかれませんように。
そう思いながら。
だけど、やっぱりカナちゃんはすごい。
「なに…寂しいの?」
なんでもお見通しみたい。
ちょっとだけ恥ずかしかったけど、コクンと頷いた。
「……マコ。」
カナちゃんはそっと私を肩口に抱き寄せてくれた。
知らない、人なのに。
昨日、出会ったばっかりなのに。
こんなにも安心するのはなんでかな?
私が、変なのかな。
普通、こんなに怪しい人に安心なんてしないもんね。
私が変なんだ。
だったら、だったらそれでもいい。
いいかも知れない。