冬に降る涙の雨。


キッチンに着き、手を洗っていると後ろからスッと手が出てきた。

「…手伝うよ」

「カナちゃん…」
カナちゃんは、何故か私の後ろから手を回すように出して一緒に手を洗っている。

「何、作るの?」
手を洗い終わったカナちゃんが壁にかかっているタオルで手を拭きながら尋ねてきた。

「ん?カナちゃんの大好物、かな?」

私はわざと、イタズラっぽく言った。


「……俺、好きな物って作れないんだよね。」

まさかのカミングアウト。

コンビニとかファミレスでご飯すませてる時点で作れないのはなんとなくわかってたけどさ。

大丈夫か、カナちゃんの身体。

いや、コンビニ食とかで偏りまくってるであろうカナちゃんの身体は私がどうにかしてみせる。


何故かそこで意気込む私だった。




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