冬に降る涙の雨。

それからしばらくして、肉じゃがもなんとか出来上がった。


「「いただきます」」

2人で声を合わせて言ってから箸を取り、肉じゃがへと手をのばす。

「んま~」
カナちゃんはご満悦のようだ。

良かった。

「美味しい…?」
お味噌汁を啜っているカナちゃんに尋ねる。

「あぁ。美味しいよ」

カナちゃんはニコッと笑った。
本当に、良かった。


「カナちゃん、約束しよう?」
「……約束?」


食べる手を止め、私を見るカナちゃん。

「…ご飯はちゃんと食べるって、約束しよう?カナちゃんの、身体の為にも」

本当は、それだけじゃないけど。
今は、内緒。


「わかった。約束するよ」

カナちゃんは優しく笑って、頷いてくれた。





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