冬に降る涙の雨。


「さ、食べ終わったら先に風呂入って、上がったらもう寝な。俺はちょっとだけやることもあるし。」

頬張ったご飯を飲み込んだ後、カナちゃんは一気に話し出した。

カナちゃんがこんなにたくさん話すとは思ってなかった私は、戸惑いながらも頷いた。


やること、って仕事かな?
カナちゃんは私に何も言ってくれないから、分かんないや。

ちょっとだけ寂しくなりながらも、私は笑顔でお味噌汁を啜った。



お風呂、私ばっかり先でいいのかなぁ。
カナちゃんの家なのに、なんだか悪い気がしてならない。

でも、カナちゃんが入ってって言うんだから入るしかないよね。

1人で頷きながら、肉じゃがを頬張った。



< 58 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop