冬に降る涙の雨。
コトン。
カナさんの座るテーブルの前に暖かいコーヒーをおいた。
「……ありがと」
そう言ってコーヒーを飲むカナさん。
なんか、“カナさん”ってのも抵抗がある。
まぁ、どうせもう関わらないんだし関係ないか。
そう思い、私はカナさんに単刀直入に聞いた。
「……あの、話って?」
「…あぁ。マコ、俺の家においで…」
は……?
「…怪しいのは充分、分かってるんだ。だけど、信じて欲しい」
カナさんにまっすぐな瞳に見つめられると、何だか断れない。
「…でも、なんで……?」
そうよ、なんで私なの……?
女子高生だったらそこらにウヨウヨいるじゃない。
「今は何も言えない。…だけど…信じて欲しい。」
って言うか、私の名前知らないのに住所を知ってるなんておかしい。
こんなに怪しい男の人、信じていいワケがないのに……
心が、言うことを聞かない……
「…信じる…」