冬に降る涙の雨。
「おまちどおさま」
カナちゃんの座る席の前に、お味噌汁、目玉焼き、ご飯、サラダをおく。
ちょっと、力入れすぎた……
反省しながらも、絶句しているカナちゃんの向かい側に私の分を運ぶ。
「カナちゃん?」
カナちゃんがあまりに固まっているので、目の前で手のひらをブンブンと振る。
「カナちゃーん」
「わ、ビックリした。」
遅れて返ってきた返事。
「どうかした?嫌いな食べ物でもある?」
想像出来る限りのことを聞いてみたけど、どうやらそんな事じゃないらしい。
「いや?ただ、考え事してただけだよ。」
本当に?
本当の本当に、考え事?
なんだか、今日のカナちゃんは変だ。
………聞きたい。
だけど、聞いちゃいけないってわかってる。
……聞いたら、カナちゃんと一緒にいられなくなりそうで。