冬に降る涙の雨。
弱虫で、意気地なしで、何も出来ない私。
それでもカナちゃんと一緒にいたいって思う私は欲張りで……。
こんなにも、カナちゃんを必要として、縋る私は空しい人間。
何も話してくれないカナちゃんだけど、私にはスーパーヒーローで。
退屈な日々から私を救ってくれたから、偽りでも優しい笑顔を見せてくれるから、離したくない。
だから、ズルい私は知らないフリをする。
「冷めちゃうから、早く食べよ」
「あぁ」
そう言って、2人でご飯を食べ始める。