冬に降る涙の雨。
「“信じる”って言われるとは思わなかったなぁ……ありがとう、マコ」
そう言いながら、どこか嬉しそうにするカナさん。
確かに、私はどうかしてるのかも知れない。
抵抗しておいて、カナさんの話も聞かずに“信じる”なんて変だ。
「…俺のことは好きに呼んで。みんなからは“カナちゃん”って呼ばれるけど」
そう言って笑みをこぼすカナさん。
“カナちゃん”……か。
なんで私はこんなに怪しい男を信じるのだろうか。
ああ、そうか。
この人の瞳があまりにも綺麗で、切ないからだ。
笑っているのに、目が“悲しい”って言ってるみたいだからだ。
私、どうにかしてあげたいって、思っちゃったんだ。
「私は、どうなるの……?」
私がカナちゃんに尋ねると、彼はクスリと笑った。