冬に降る涙の雨。
*カナちゃんと騙し騙され*
「か、カナちゃん…//」
絶対、顔真っ赤だよ……!!
恥ずかしいから放して、カナちゃん。
心の訴えが聞こえたのか、カナちゃんはパッと手を離した。
「おっと、遅れちゃうな」
何事もなかったかのようにケロッとしているカナちゃん。
あれ?
今のは、幻……?
「さ、車に乗って」
「う、うん…」
何がなんだか分からないけど……
とりあえず今は、車に乗るか。
私はカナちゃんの後ろについて行き、2日ぶりのローファーを履く。
「はい、隣どーぞ。」
カナちゃんが車の扉を開けてくれる。
………やっぱり、助手席。
「ありがと。」
私はボソッとお礼を言って助手席に座る。
一体、どこに行くんだろうか。
ドキドキと緊張で胸が押し潰されそう。