冬に降る涙の雨。


「大丈夫。殺したりなんかしないから」

そう言って立ち上がるカナちゃん。


「夜…迎えに来るから。…それまでに必要な荷物をまとめて待ってて」

カナちゃんはそれだけ言うと、私の頭をポンポンと優しく叩いて部屋を出て行った。

「……」

何、やってんだろ……
知らない男の人を部屋にあげて、コーヒーまで出して……


挙げ句の果てには、家に行くんだもん。

笑えちゃうよね。


でも、良かったのかもしれない。
このまま行く意味のない学校に通い続けるよりもずっとマシ。


誰一人いない部屋に毎日いるよりもずっとマシ。


もう、生きる意味なんて分からない。
だから、死んだって良い。


どうせ死ぬくらいなら、これくらい貴重な経験しとかないとね。


色んなことに吹っ切れた私は、カナちゃんを信じてついて行くことに決めた。


だってそっちの方が楽しそうだしね。






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