冬に降る涙の雨。
*カナちゃんと安心感*
「大丈夫。」
ポス、とカナちゃんが私の頭に手を置く。
「……っ」
言葉に、ならなかった。
カナちゃんは凄い。
カナちゃんの一言で、ちょっとした動作で、こんなにも安心できる。
カナちゃんが触れてるか頭がぼーっとする。
カナちゃんは、魔法使いみたい。
「マコはマコらしく、自分の思うようにやるといい。俺はずっと味方だから…」
「う…ん…。」
私はどこを見たらいいのか分からずに、下を向いた。
「……ありがと。」
聞こえるか、聞こえないかくらいの小さな声で私はお礼を言った。
聞こえたかな。
聞こえてなかったら、いいな。
そんな考えも空しく、カナちゃんには丸聞こえだったみたいで………
「ふっ。どーいたしまして」
カナちゃんは嬉しそうに笑った。
私、カナちゃんの笑顔さえ見れれば大丈夫かもしれない。
なんとなく、そんな風に思えた。
……魔法使いのカナちゃんの笑顔のおかげかな。