冬に降る涙の雨。
それから2人で車に乗り込み、制服の採寸へと向かった。
……ふふ。
いつみても黒塗りのこの車、怪しいなぁ。
車内を見回し、1人笑う。
そんな様子を見ていたのか、カナちゃんが私をチラチラとみる。
「……どした?」
前を向いたまま、カナちゃんが尋ねて来た。
「どした、って……どうもしないよ?」
私は思わずニヤケちゃいそうな口元を堅く結んだ。
「へんなマコー…」
そう言ってカナちゃんはクスリと笑った。
………そう言えば。
明日から学校、なんだよね。
採寸するの、今からだよね?
今気づいたけどさ、間に合うの……?
え、私やだよ今までの制服でいくなんて。
うわ、どうなるんだろ……
ちょっと…いや、かなり不安になりながらも車に揺られた。