冬に降る涙の雨。

「あの…」
制服のブレザーを羽織りながら、採寸をしてくれた男の人に問いかける。

「あ、僕の名前は早乙女。よろしく。…で、何かな?」

採寸してくれた男の人、もとい早乙女さんは笑顔で首を傾げた。

「…あの、今日採寸したばかりなのに明日の学校に間に合いますか?」

一番、気になっていたこと。
早乙女さんは、“あぁ”と思い出したような声を出した。

「それは大丈夫。うちには色んなサイズの制服が置いてあるからね。」

にこりと笑う早乙女さん。
そうなんだー……
納得。

だけど……だけど。
じゃあ、何で採寸なんてしたの?

色んなサイズがあるなら、着てみるのが一番なのに……

私は気になって、早乙女さんに訊ねた。

「あの……何で、採寸を?」

「あぁ、それは体操服とジャージの為だよ。さすがに、体操服とジャージには名前の刺繍をいれないといけないから2、3日後になると思うけどね。」


納得。
って言うか、早乙女さんって簡潔な文章ではなすなぁ。


なんか、すごい。



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