冬に降る涙の雨。


「マコ、制服試着しに行くよ。」

先を歩く早乙女さんの後ろを、カナちゃんが私の手を引き歩く。

「あ、ちょ……」
カナちゃん、自分が背が高くて足まで長いこと自覚してるのかな?

一歩がデカいよカナちゃん…!!

私は必死にカナちゃんの後を追った。





それから、試着室に着いた私たち。
そこには山のような制服。

こんな制服だったのか、と驚いた。

黒のブレザーに、赤いチェックのリボン。スカートも黒色と至ってシンプル。
左の胸元には校章が入っている。

なんだろう。
すごくシンプルなのに、カッコいいし可愛い。

私、この制服好きだな。
確か、“高嶺学園”。
授業料がハンパなく高いって有名。

私、通ってもいいのかな。
カナちゃんは、どこまでしてくれるのだろうか。

多少、国からお金がでるとはいえ、学費だけでかなりの額になるし、あまり自由が出来ないかな。

制服を見つめたまま、グルグルと頭の中で考えが動きまわる。


「マコ……?」




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