冬に降る涙の雨。
「へ……?」
ぼーっとしすぎて、マヌケな声が出た。
「早く、試着しな?」
スッと黒色のものを差し出される。
「あ……」
そこには高嶺学園のブレザー。
しかも、首もとのタグには“160”と記載されている。
多分、一番フィットするだろう。
その辺が、やっぱりって言うかさすがっていうか……カナちゃんらしいかな。
何でも、分かっちゃうんだね。
私は、カナちゃんが持ってきてくれたブレザーを羽織った。
「…ぴったり…」
やっぱり、カナちゃんには適わないや。
“だろ?”って、自慢気な顔をするカナちゃん。
参りました。