冬に降る涙の雨。
「…ありがとう。」
それ以上、言えなかった。
こんなに良くしてもらって、いいのだろうか。
私ばかり、嬉しい思いをしている気がする。
私ばかり、楽しい気がする。
カナちゃんは、嬉しい?楽しい?
あまり感情を露わにしないカナちゃんだからこそ、不安になる。
「…あ、マコ。あんまり早乙女に関わんなよ?アイツ、スケベだから」
笑いながら話すカナちゃん。
冗談か、本気か。
カナちゃんは分かりにくい。
「言っておくけど、アイツ、俺の幼なじみね。」
なるほど。
だったら、さっきの空気にも納得だ。
仲良し、ってことだよね。
「早乙女さんと、仲良しなんだね」
つい、思っていたことが口からでてしまった。
「な、仲良し…じゃないっ!!」
必死に抵抗するカナちゃん。
だけど、照れ隠しにしか見えないよ。
ふふ。
カナちゃんらしいな。