冬に降る涙の雨。
*カナちゃんと期限*
プルルル……プルルル……
突然、携帯の着信音が鳴り響いた。
ぱっとポケットの中にある携帯を確認する。
私、じゃないし……
「あ、俺のだわ」
やっぱり、カナちゃんのだった。
「ちょ、悪いけど先に車乗っててくれる?すぐ終わると思うし。」
申し訳なさそうにするカナちゃんに、私の方が申し訳ない気持ちになった。
「うん、分かった。」
私はそれだけ言うと車の停めてある場所へと、カナちゃんに背を向けて歩き出した。
その時、聞こえてしまったんだ。
―――電話の内容が。
「…う…そ…」
信じられない。
信じたくない。
涙が、でそうになった。
だけど泣いちゃいけない。
ひたすらに我慢しながら、駐車場へと向かった。