コルニクス
◆ONE

私は嫌われ者。疫病神。

なぜなら、
私が踏みしめた土地は痩けるから。
歩いたところは草木が枯れるから。

これは他人には無い、生まれつきの性質。
どうしようもない。

だから私は、
畑の近くを歩かない。
お花畑も歩かない。
いつも私が踏みしめて、枯れ果てた土の上しか歩かない。

枯らしたくて枯らしている訳ではないのだから。

それでも私は嫌われ者。

村の人は私が踏んだ土を見ては、眉間に皺を寄せる。

土が可哀想とか思ってるのかな。

ごめんなさい。
歩いて、ごめんなさい。

私は悲しくなると空を見上げる。
空はいつでもどこでも私の頭上に広がっている。

いろんな表情があって、楽しいし、飽きない。

< 1 / 575 >

この作品をシェア

pagetop