コルニクス
私はもう、彼に嫌われる。
まだ水見つけてないのに。
手当てもしてないのに。
空も飛んでないのに…。
「その、私が歩いたところは、土が痩せるから…」
「何それ、その特殊能力!!それとも呪い?」
あれ、おもしろがってる…?
「し、信じてないですよね…」
「そりゃ、信じがたいけど」
彼が水気の無くなった茶色の草を指さす。
「実際そこにあった白い花、枯れちゃったし。説得力はある」
あれは、花か。
私が踏んだ訳ではないのに、近くを踏んだだけで。
白い花だったかどうかも分からない。
「それで、できるだけ土を踏まないように、大股でジャンプしてるってこと?」
私は小さく頷いた。