コルニクス

「分けてくれるかな?」

「当然だ。マルス・ファミリアの人たちがテラ・ドムスの近くで困ったときは俺らが助けるんだからな」

マルス・フォルムというのは、着水地点から意外と近かった。

"着陸許可求む"的な信号をクリュさんが何やらピカピカやって、

マルス・ファミリアの方々から燃料を分けてもらえることになった。

「で?あのコルニクスが何なの?」

燃料を注ぎながらクリュさんが私に尋ねる。

「コルニクスって?」

「あの黒い飛行艇の名前だよ」

クリュさんの言葉を聞いて、私は一瞬、時を忘れた。

「なんであの飛行艇の名前知ってるの!!ですか!?」

あ、中途半端に敬語にしてしまった。

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