コルニクス

「……」

…嬉しい。
これだけ嬉しいことはない。

私は涙をこらえるのに必死ながらも、心が晴れ晴れとした。

「ちなみに私の父親はこれ」

と言って指さす先は、テーブル越しのクルシオさん。

え────────っ!!

涙なんか一気にひっこんでしまった。

驚きのあまり感動に浸る隙もない。

でも血なんて関係ない!みんな家族なんだから!とステルラが言う。

少し前までの"不幸"が嘘みたい。

空に来てから"幸"続きだ。

クロは確かにあの日、"俺がお世話になった空族のところに連れていく"と言っていた。

クロが本当にお世話になっていたら良かったんだけど、みんな知らないみたいだし…

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