コルニクス
「どこにですか!?」
「俺に」
「それ、どこですか!」
「俺はここだけど」
そんなこんなで彼に抱きついて足を浮かせるという、おかしな形になってしまった。
彼は助走をつけて、地面を強く蹴りとばす。
小型飛行艇が風を受け、昇る。
う…う……
「浮いたあ~!!」
「ちょ、はしゃぐなって。バランスとれないから」
「すいません」
くるっと反転して、見事、私と彼は小さな飛行機の上に乗ることができた。
取っ手につかまる。
「キミは怖くないんだね」
「なにが、ですか?」
「高い所」
「え、怖い所なんですか!?」
「あーいや、もういいや」
「ありましたー川っ!!」