コルニクス

「ちょっと行ってきます」

私はクロのコートを羽織る。

コルンバに乗り込み、まだどこかおぼつかない手つきで操縦し、上昇する。

ユピテルの母船、インペラートル。

見ただけで分かるほどまわりの艦よりも大きく、そして仰々しい。

甲板にはウィンクルムさんがいた。

着陸すれば、人質にされるのは間違いない。

私はインペラートル付近を飛びながら叫んだ。

私は信号のうち方を知らない。

「人を傷つけるのはもうやめてくださいっ!!」

声は届いているだろうか。

艦の中の人には聞こえないかもしれないけど、甲板にいる人には聞こえるはず!

「こんなことして楽しいですか!?」

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