コルニクス

恐怖で動けないってこういうことなんだなって感心したとき、
私の左耳から右耳までを一気に貫いた声。

「セル、エレベータ・ダウン!!」

────────クリュさん。

帰ってきたんだ…。

「セル!!頼むからっ!エレベータ引け!!」

エレベータってなんだっけ…?

普段なら思いだせることが、今はもう白紙を見ているかのように真っ白になった。

大砲は私を見据えて動かない。

「セル、逃げろ!」

「逃げてセル!!」

「セルッ!!」

皆の声がする…。
逃げて逃げてって言ってるけど、



逃げ方が、分からない─────。



私、死ぬのかな?

お母さんに会えるけど、テラ・ファミリアの皆とはお別れだ。


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