コルニクス
五月蝿い鼓動を掻き消して…!!
クロッ!!
私はおもいっきり笛を吹いた。
ピュイイイイ──────…
綺麗な綺麗な、澄んだ音。
いつも見ていた、空を。
初めて見た、空に浮かぶ島を。
初フライトの時に見た、大自然を。
一気に思い出した。
走馬灯に映る影のように。
私がずっと凝視していた大砲が、鈍い音をあげる。
その瞬間。
私の視界の上から下に、何かが目にもとまらぬ速さで横切った。
インペラートルが煙をあげ、傾く。
何っ!何が起きたのっ!?
よく見ると、大砲がこそげ取れているようにも見える。
私の体はさっきと同様、金縛りにあったかのように動かなかった。