コルニクス
「………」
プシューと音をたてて、飛行艇が川原に降り立つ。
「他に怪我したとこ、ないですか?」
私は水で彼の右手を洗いながら聞く。
「あとは打ち身くらいだと思う」
「打ち身!?冷やさなきゃ…」
「キミは怪我ないの?」
さっきからキミキミって…
「私にはセルリアンって名前があります!!」
私は少し声を荒げた…つもり。
「え…そんないきなり宣言されても」
あれっ私なにか宣言したっけ!?
「それは失礼しました。セルリアン?」
お母さんと自分以外の人の口からは聞いたことのない名前。
「あ…セル、でいいです」
「いい名前だね」
「あ、ありがとうございます…?」