コルニクス
青年は「右腕負傷しただけだから帰れるんだけど」と呟いた。
「え、左利きなの!?」
青年は「ああ、」と言って体を起こす。
「右利きだけど、飛行艇の操縦はどっちでもいける」
……お?
じゃあ左利きのクロも飛行艇の操縦はどっちでもいけるのかい?
もう分からなくなってきた。
そのとき、ドアが開き、クリュさんとお粥が入ってきた。
と言えるくらい大きなお粥鍋を持ったクリュさんが入ってきた。
「大きすぎやしない?」
私が焦って聞く。
「マレが持ってけって用意したんだよ」
「ちょっと作りすぎたって量じゃないね。少しって言ったのに」
青年はもう苦笑している。