コルニクス
◇TWELVE
風が髪を揺らす。
コルンバの後部座席に乗せた段ボール箱が、左に傾き、右に傾き、
コルンバを揺らす。
「だいじょーぶかー?」
斜め前を飛ぶのはクルシオさん。
私は今、任務中だ─────。
数十分前。
「どうしてルナ・ファミリアの人たちは暗殺を引き受けるの?
したいわけじゃないんでしょ?」
私が尋ねた相手である怪我人は、微かに微笑んだ。
「生きていくためさ。ルナ・ファミリアは依頼金で生活をまかなっているんだ」
暗殺なんて、誰もやりたがらないから儲かるのかな?
「じゃあ、テラ・ファミリアは?
何で生計を立てているの?」
「配達よ」
その場を通りかかったステルラが説明を始める。