コルニクス
◇TWO
蒼く晴れわたった空。
黒くたれこんだ空。
赤く染まった空。
そんな空ひとつひとつに、浮いた雲が表情をつける。
もこもこな入道雲。
薄っぺらいすじ雲。
数えたくなるひつじ雲。
山の帽子みたいなかさ雲。
太陽の周りに光るうす雲。
…でも、空に浮いているのは雲だけじゃなかった。
飛行機、沢山の艦は勿論、
住宅、コンビニ、病院、郵便局、銀行、飲食店…
全部、空に浮いちゃってます。
“島”として。
天空の城?空島?それに似たような感じで…。
私がいる此処は“空”です───。
「何ですかぁ!!これ!!」
何度も問いかけた為に、前の操縦席に座っている青年も“答える”ということを諦めた。