コルニクス
「じゃあコルンバも行かない?」
えっ…。
「わ、私に振るのっ!?」
「コルンバの後ろに手紙乗せればいいじゃん」
「それじゃ俺が行く意味ないだろ」
「ドラコは俺を乗せるんだよ」
「お前がいちばん行く必要ない」
「行ってみたいもん、配達」
クリュさんと怪我人の会話はいつも周りを明るくさせる。
その場に微かにでもあった、恋の憂いや気力のとぼしさなどを駆逐(クチク)する。
晩ご飯の後、クリュさんに聞いた話では、怪我人の右腕の靭帯は切れているらしい。
クリュさんは医者ではないけれど、怪我人の様子からして分かるとか。
痛くないと言いつつ、絶対に使おうとはしない右腕。